歯科医院でのレーザー治療について

～患者さんに安心していただくために～

近年、歯科治療では「レーザー機器」を使用する機会が増えてきました。これは、医療技術の進歩により、より患者さんにとって痛みや不快感の少ない治療を目指す中で、レーザーが大きな役割を果たしているからです。

レーザー治療とは、強いエネルギーを持つ光を利用して、組織に働きかける治療法です。外科手術の現場でも使われる安全性の高い技術で、歯科においても様々な症状に対して使用されています。

レーザーが活躍する主な場面

● 歯周病の治療

歯と歯ぐきの間にたまった歯垢や細菌によって炎症が起きている歯周病では、レーザーを使って歯周ポケット内を殺菌・消炎します。従来よりも負担が少なく、治療後の腫れや痛みを軽減することができます。

● 根管治療（歯の神経の治療）

歯の根の中にある感染した部分をレーザーで殺菌・消毒することで、再発のリスクを減らし、治療の成功率を高めることが期待できます。

● 歯ぐきの治療（歯肉の黒ずみや形の調整など）

歯ぐきの黒ずみ（メラニン色素沈着）を取り除いたり、歯ぐきの形を整えたりするときにもレーザーは有効です。従来のメスによる治療に比べて、出血が少なく、治りも早いのが特徴です。

● 口内炎やヘルペスなどの粘膜疾患の治療

患部にレーザーを当てることで、炎症を抑え、痛みを軽減させたり、治癒を早めたりする効果があります。

● 小外科処置

歯ぐきの切開や小さな手術において、レーザーを用いることで出血を抑えながら清潔に処置ができます。止血効果があるため、傷口もきれいに治りやすいです。

レーザー治療のメリット
•痛みが少ない
　レーザー治療は、熱エネルギーを使うため、通常の器具と比べて痛みを感じにくいというメリットがあります。場合によっては麻酔を使わずに処置できることもあります。
•出血が少ない
　組織を焼くことで同時に止血が行われるため、出血が最小限に抑えられます。これにより、治療後の不快感も少なくなります。
•殺菌効果がある
　レーザーには高い殺菌力があり、細菌の繁殖を抑えることで、治療部位の感染リスクを軽減します。
•治癒が早い
　周囲の組織へのダメージが少ないため、自然治癒力が高まり、治りが早くなる傾向があります。特に歯ぐきなどのやわらかい組織には効果的です。
•音や振動が少ない
　歯を削る機械の「キーン」という音や振動が苦手な方にとって、レーザーは非常にストレスの少ない選択肢となります。

重要な注意点

レーザーは非常に便利で効果的な治療機器ですが、すべての症状に適しているわけではありません。特に虫歯を削って治すことはレーザーではできません。

つまり、「虫歯をレーザーで完全に除去する」ことは現時点ではできず、通常の機械（ドリル）や他の治療方法と併用して行う必要があります。

また、レーザーを使用するかどうかは、患者さんのお口の状態や症状、全身の健康状態などをふまえて、歯科医師が判断します。
「レーザーを使えば必ず良い」というものではなく、最善の治療方法の一つとして、状況に応じて選択されています。

最後に

レーザー治療は、より快適でやさしい歯科医療を目指す中で、今後ますます活躍が期待される技術です。ただし、万能ではないこと、そして使用の可否は歯科医師による判断が必要であることをご理解いただければと思います。

当院では、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて、安心・安全な治療をご提供できるよう努めております。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

当院は予防やケアにもとても力を入れております

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